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クビアカツヤカミキリの生態

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 外来昆虫クビアカツヤカミキリAromia bungiiが日本国内で拡散し、バラ科樹木の樹幹を食害しています。本種は2011年に日本への侵入が確認され、現在では群馬県、栃木県、埼玉県、茨城県、東京都、愛知県、三重県、大阪府、奈良県、和歌山県、徳島県の11都府県に及んでいます。本種の幼虫は樹皮下を加害し、時には木を枯らしてしまいます。サクラ(ソメイヨシノ)の被害本数が最も多いですが、モモ、ウメの農業被害も深刻です

 夏(6~7月)に羽化して木から脱出した雌成虫は、交尾後樹皮の隙間に小型の卵を多数産み付け、孵化した幼虫が木の皮の裏に潜ります。産卵数はカミキリムシの仲間の中ではとても多く、1,000を超える数を産むことがあります。幼虫は成長すると排糞孔を樹皮に穿ち、食べた木くずと虫糞の混合物(フラス)をそこから樹幹の外に排出します。フラスは春5月過ぎから、秋10月ぐらいまで見つけることができます。夏の暑い時期に最もフラスの排出が盛んになります。幼虫が材内にもぐり冬越しの支度をすると、フラス排出は停止します。多くの個体は2年間かけて成虫になるようです。

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